iREX 2022 Kawasaki Robotics Kawasaki Powering your potential

自動PCR検査ロボットシステム

Withコロナを支える
カワサキロボット

依然として、全世界に猛威を振るう新型コロナウイルス。経済活動が制限され、私たちの生活に少なからず影響を与えています。

一説によれば、新型コロナウイルス出現以前の人の移動の水準に戻るには今後3年間の時間を有するという見方もあり、その間は感染状況のモニタリングや検疫体制の強化を継続していく必要があります。

川崎重工は新型コロナウイルスのPCR検査をロボットにより自動化することで、安全で安心な社会の実現を目指しています。

医療従事者を感染リスクから解放

これまで、PCR検査は医療従事者の人手によって行われていました。作業にあたる医療従事者自身に感染のリスクがあるほか、検査に人手がかかるために現場が逼迫してしまうケースもありました。一連の検査を自動化することにより、医療従事者の感染リスクを低減すると共に、大量の検査を正確に実施することもできます。

川崎重工の自動PCR検査ロボットシステム

自動PCR検査ロボットシステムの特長

  1. RT-PCR検査方式を採用した高精度な検査
  2. ロボットによる無人化/自動化により、大量の検査を短時間に安定して行えるとともに、医療従事者の負担低減が可能(約80分での検査を実現)
  3. 遠隔監視により安全性を確保しつつ運用を簡素/省人化
  4. 厚生労働省・医師会の推奨手法に沿った手順でのロボットによる大量検査
  5. 省スペース対応
  6. コンテナとして移動も可能なため、様々なイベント等でも活用が可能

PCR検査の主な流れは、検体が保存された容器のフタを開けて、検体を取り出し、培養液の容器(ディープウェル)に移し替え、核酸抽出された検体を検査用の試験管(8連チューブ)に分注する、というものです。

川崎重工は小・中型汎用ロボットのRSシリーズを用いて、これらの作業を自動化するシステムを構築しました。これにより、検査時間の短縮と検体に異物が混入してしまうリスク、そして医療従事者を危険な作業から解放することが可能になります。

RSシリーズ ロボットアーム

コンパクトでありながら、高速かつ広い動作範囲が特長

RT-PCRとは

※ウイルス検出精度については諸説あり、参考値となります。

川崎重工はPCR検査の方法として、最も精度の高いRT-PCRを採用。検体内のウイルスをより少ない状態からでも検出でき、感染直後/発症前の感染も検出が可能です。

プロジェクトストーリー | なぜ、川崎重工がPCR検査?

新型コロナウイルスの第一波が日本で猛威を振るいはじめた2020年3月、川崎重工はロボット開発の知見を活用して医療従事者に貢献するため、社内プロジェクトを立ち上げました。

その中で、プロジェクトチームは医療従事者が自らも感染のリスクにさらされながら、膨大な数の検体を検査している実態を知ります。当時は急速な感染拡大により医療従事者のリソースも逼迫している時期でした。

想いを強くしたプロジェクトチームは同年秋にデモ機を発表、構想から約半年という短期間での開発を実現しました。

川崎重工のロボット技術を活かし、迅速に進められたプロジェクトは2021年1月31日、医療の現場への本格導入を開始しました。愛知県からPCR検査数の増加を求められていた藤田医科大学は、川崎重工製の自動PCR検査ロボットシステムを導入して、同大学内に「川崎重工業株式会社 藤田医科大学内PCR検査センター」を設置。1日最大2,500件のPCR検査を行うことが可能になりました。

川崎重工と医療

医療分野は特殊な領域であるため、綿密な検証とPDCAが求められるほか、今回の自動PCR検査ロボットシステムではクリーン室対応や過酸化水素消毒への対応が必要になるなど、通常の産業用ロボットとは異なり、開発・導入にあたって医療分野ならではのノウハウが求められました。

今回のプロジェクトを滞りなく進めるに至った背景には、検査・診断の技術を保有し、医療分野に幅広いネットワークを持つシスメックス株式会社(以下、シスメックス)と川崎重工の共同出資で設立された、株式会社メディカロイド(以下、メディカロイド)の存在があります。

メディカロイドは川崎重工の産業用ロボットへの知見、シスメックスの医療・ヘルスケア領域への知見の2つを持ち合わせています。

手術支援ロボット、そして今回の自動PCR検査ロボットシステムなど、川崎重工、シスメックス、メディカロイドは、今後も医療の現場をサポートしていきます。

活躍の場を広げる自動PCR検査ロボットシステム

関西国際空港

2021年5月20日、自動PCR検査ロボットシステムを関西国際空港の出発ターミナル入口に設置。国内初の空港での国際線出発旅客向け検査サービスの提供を開始しました。

医療法人友広会と業務提携し、2021年9月には開設したPCR検査センターを拡充。関西国際空港第1ターミナルビル4階に「医療法人友広会 関西国際空港PCR検査クリニック」をオープンしました。

PCR検査は、川崎重工が友広会から委託を受け、既に空港に設置している自動PCR検査ロボットシステムで実施。検査の受付から最短3時間で陰性証明書を発行できる体制をサポートします。